2023年7月28日
戸建て住宅の初期費用は? 費用を安く抑える方法も紹介
多くの人にとって、新築一戸建ては一生に一度の買い物です。
「新築一戸建て」と一口に言っても、さまざまなタイプがあります。
この記事では、新築一戸建ての種類や費用などの基礎知識に加えて、どれくらいの予算でどのような家が建てられるのか、施工業者を選ぶ時のポイントといった情報までご紹介します。
Contents
新築一戸建てには、「建売住宅」と「注文住宅」の2種類があります。
建売住宅は、不動産会社や建築会社が計画し、土地と建物がセットで販売されている住宅です。
完成済みであれば実際の物件を見ることができますし、未完成であれば設備等、変更することができる場合もあります。間取りや使用する資材が共通した家を数戸建てることにより、一括仕入れが可能になるため、注文住宅よりも割安な場合が多いです。
一方の注文住宅の場合は、施主が要望に合わせて建築プランを作ってもらい、それに従って家を建てていきます。好きな建築会社、ハウスメーカーを選べたり、好きな間取りにできたりしますが、自分で土地探しからしなくてはならず、手間はかかります。
建売住宅と注文住宅のメリット、デメリットは以下の通りです。
建売住宅 | 注文住宅 | |
メリット | ・注文住宅に比べると価格が安い
・購入してから住み始めるまでの時間が注文住宅に比べると短い
|
・好きな建築会社、ハウスケーカーを選べる
・好きな間取りにすることができる ・設備は希望したものを入れられる |
デメリット | ・間取り等を選べないケースが多い(完成前の物件の場合は設備等を変更できる場合もある)
・土地の状態を自分で確認できないことが多い |
・土地探しと建築会社、ハウスメーカー探しの両方をしなくてはならない
・契約から入居までに時間がかかる ・建売住宅と比べると価格が高くなりがち |
関連記事:建売住宅と注文住宅のメリット・デメリット!注意点についても解説
新築一戸建ての家を建てるのには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
国土交通省が出している「令和4年度住宅市場動向調査」によると、土地とともに注文住宅を購入した場合の平均金額は5,436万円(延床面積平均123,5平方メートル)、新築の分譲住宅(建て売り住宅又は分譲を目的として建築された住宅)で4,214万円(延床面積平均108,1平方メートル)です。建て替え世帯では4,487万円(延床面積平均138,8平方メートル)となっており、やはり建売住宅の方が割安であることが伺われます。
では、新築一戸建てにかかる費用とは、具体的にどのようなものが挙げられるでしょうか。ここでは、費用の内訳を詳しく見ていきましょう。
まずは、土地代です。親族から引き継ぐ土地があれば話は別ですが、大抵の場合は家を建てるための土地を探すことから始まります。
土地の価格は、地域差が大きく出る部分です。
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査」によると、土地購入資金は全国平均で1,819万円、三大都市圏平均で2,626万円でした。なお、三大都市圏とは埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県からなる首都圏、岐阜県、愛知県、三重県からなる中京圏、京都府、大阪府、兵庫県からなる近畿圏を合わせたものです。
建築工事費には、建築費用以外に、付帯工事費用も含まれます。付帯工事費用とは、その土地に建っている建物を撤去する費用、外構の工事費用、電気、ガス、水道の引き込み費用などの費用のことです。
中でも、地盤が弱い場合に、家をしっかり支えられるように地盤改良工事を行う場合があります。杭を打ったりするため、百万単位でお金がかかることがあります。
国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によると、注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)は全国平均で3,935万円、三大都市圏平均で4,504万円でした。
そのほか、住宅を取得するのに伴い、諸費用がかかります。諸費用は基本的に現金払いのものが多くなるため、特に注意が必要です。
まず、物件にかかる諸費用は次のとおりです。
名目 |
内容 |
印紙税 |
売主と取り交わす「売買契約書」に貼る印紙代。なお、2014年4月1日から2027年3月31日までの間に作成されたものについては、印紙税が軽減される。 |
不動産取得税 |
不動産を取得した際に発生する地方税。 なお、2027年3月31日までは建物を住居として取得する場合には、固定資産額評価額から1,200万円(長期優良住宅は1,300万円)が控除され税率を3%に、土地に関しては評価額を1/2にした上で税率を3%にする特例措置が取られている。 |
登録免許税 |
不動産を取得したことを登記簿に登記する際にかかる税金。 2026年3月31日までは税率の軽減特例がある。 |
固定資産税清算金および都市計画税清算金 |
固定資産税や都市計画税は、1月1日(または4月1日)時点で不動産を所有している人が同年1年分の税金を納める。そのため、年の途中に不動産の引き渡しがあった場合、残りの期間の税金分を買主が売主に払うのが通例である。 |
仲介手数料 |
不動産会社などが売買を仲介する物件を購入したときにかかる費用。かかる費用の上限が定められており、物件の取引価格によって異なる。物件価格が400万円を超える場合の上限は、物件価格×3%+6万円+消費税。 |
司法書士への報酬 |
登記簿への登記の手続き代行を依頼した際に、司法書士に支払う報酬のお金。依頼内容に応じて1〜13万円前後が相場とされる。 |
住宅ローンを利用する場合は、次のような諸費用もかかります。
名目 |
内容 |
印紙税 |
住宅ローンの契約時に作成する「金銭消費貸借契約書」に貼る印紙代。 なお、2014年4月1日から2027年3月31日までの間に作成されたものについては、印紙税が軽減される。 |
登録免許税 |
金融機関が土地や建物に抵当権を設定する際に登記が必要となるため、登録免許税はローン借入時にも発生する。 |
ローン保証料 |
住宅ローンを契約する際には、万が一住宅ローンの契約者が借り入れをした金融機関へ返済できなくなったときに、保証会社が住宅ローンの契約者に代わって住宅ローンの借入金を一括返済する(代位弁済)契約を保証会社と結ぶ。保証会社に支払う、保証契約のためのお金。
フラット35を利用する際には必要ない。 借入額の0.5%〜2%程度が目安で、毎月の金利に0.2%程度上乗せして支払うケースもある。 |
融資事務手数料 |
住宅ローンの契約時に、金融機関に支払う手数料。 |
司法書士への報酬 |
ローン借入時の登記の際にも司法書士に手続きを依頼する人が多い。 |
火災保険料 |
住宅ローン借入時には、火災保険への加入を必須としている金融機関がほとんどである。ローンの期間と同等かそれ以上の期間の契約が求められる。 |
物件調査手数料 |
融資基準に適合する住宅であるかどうかの適合検査にかかる手数料。主としてフラット35を利用する際にかかる。 |
地鎮祭や上棟式を行う場合はその費用、家具家電を購入する費用、引越し代などもかかってきます。忘れがちですが、住宅ローンに組み込めない費用です。その分の予算も確保しておきましょう。
関連記事:建売住宅に土地代は含まれているの?建売住宅費用の内訳
ここでは、建築予算別にどんな家が建てられるのかを詳しくご紹介していきます。
建築費用1,000万円台は、相場よりも抑えた金額です。ローコスト住宅を売りにしているハウスメーカーを選び、シンプルで小さい家を建てることになるでしょう。
家の外壁の面積を減らすために、家の形は正方形もしくは長方形がおすすめです。また、内装の設備はハウスメーカーの標準品があれば標準品、なければエントリーモデルのものをつけることになると考えられます。
予算が2,000万円台前半ではローコスト住宅に分類されることが多く、2,000万円台後半になると、多少予算の余裕が出てきます。外壁の素材を変える、キッチンのグレードをあげるなど、多少のアップグレードができるようになります。
昨今の建築費用の平均から考えると、3,000万円台の物件が標準的な注文住宅になります。
住宅の形も個性を活かしたデザインのものにできますし、内装や外装へのこだわりもものによっては実現可能です。
都心部では真四角の土地はなかなか取れないので、土地の形を活かした家づくりという観点からも、3,000万円台の予算があると選択肢が増えます。
予算が4,000万円台になると、かなりゆとりを持ったプランが組めます。設備等も、ハイグレードのものを入れられるでしょう。
関連記事:一戸建てにかかる3つの維持費と費用を抑えるための5つのコツ
家を購入すると、固定資産税が毎年かかります。また、住んでいる地域によっては都市計画税もかかります。
給湯器、ガスコンロなどの設備が壊れたら買い替えが必要ですし、外壁やシロアリ対策もメンテナンスが必要です。どれくらいのペースで、どれくらいの費用がかかるのか、住宅購入時に確認し、計画的に費用を用意しておきましょう。
住宅を購入する際、頭金は絶対に必要というわけではありません。なかには頭金0円でローンが組めるという金融機関もあります。
しかし、頭金を用意することで借入金額の総額が少なくなるため、その分利子が減ったり、支払いに余裕ができたり、といったメリットもあります。
注意したいのは、頭金をなるべく多く用意しようとするあまり、手元の現金がなくなってしまうことです。住宅に関する費用は、支払い方法が現金のものも多くあります。また、生活資金の余裕がなければ、何らかのトラブルがあった際に困ります。余裕を持った頭金の金額を設定しましょう。
関連記事:戸建て住宅の初期費用は? 費用を安く抑える方法も紹介
新築一戸建てを建てる際に活用できる補助金には、次のようなものがあります(2024年5月現在)。そのほか、自治体が行っている補助金制度も多くあります。詳しくはお住まいの自治体の窓口やホームページ等をご確認ください。
また、次のような税制上の優遇が受けられます(2024年5月現在)。
前年度と条件が変わっているものもあります。詳しい条件については、国税庁のホームページ等でご確認ください。
設計・施工会社を選ぶ際には、次の点に気をつけましょう。
見積もりには、大まかな概算見積もりと、施主の希望を反映した詳細見積もりがあります。概算見積もりであれば、契約前でも作成してくれる設計・施工会社がほとんどです。条件を揃えて、気になっている設計・施工会社に見積もりを依頼し、比較検討しましょう。あまり多くても比較しきれなくなってしまうため、3、4社程度に絞るのがおすすめです。
「指定工事制度」とは、住宅建築に関する専門知識や技術、経験を持ち、専任技術者や必要な器材、資材などをそろえ、適切な工事と事務手続きが可能である業者を自治体が認定するものです。指定工事制度に認定されていることが、ある程度の工事の質の保証となります。
また、着工後に細かい変更をしたくなるのはよくあることです。対応してもらえるのか、対応可能な場合は追加費用がかかるのか、いつまでなら対応してもらえるのか、事前に確認しておきましょう。
建売住宅と注文住宅の違いや、新築一戸建てを土地付きで購入すると5,400万円くらいの費用がかかること、家を建てるのに関わる費用には土地代建物代以外にもいろいろなものがあること、住宅購入の際の補助金制度や税制優遇もあることがわかりました。
家づくりをうまく進めるには、まずはよく知ることからです。新築一戸建てに関する費用についてよく知り、補助金や税制優遇をうまく活用して素敵な家を建てましょう。
札幌市の新築建売をお探しの方はSOUHOUSEまでぜひご相談ください。
この記事の監修者
菅原 健介
Sugawara Kensuke
2022年に株式会社ジョンソンホームズ新築建売SOUHOUSEへ新卒入社。
入社3年目で営業リーダーへ抜擢。
1児の父としてファミリー目線での暮らしの提案を行なっている。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー2級を保有。
保有資格