2023年2月16日
二世帯住宅はデメリットが多い?回避するポイントやメリットを解説
近年、平屋の人気が上がっています。リビングや水まわり、寝室などがすべて1つのフロアに配置されているため、階段を上り下りする必要がありません。バリアフリーを実現できる住まいとして幅広い年齢層から注目を集めており、今後ますます需要が高まることでしょう。
本記事では、平屋のメリット・デメリットと家づくりで考慮すべきポイントを解説します。平屋に住みたいと考えている方は、ぜひご参考ください。
平屋とは、階層が一階のみの建物のことです。リビングやキッチン、浴室や洗面室、寝室や子ども部屋などの個室がまとめて一階にある住まいを指します。
平屋と聞くと伝統的な日本家屋が思い浮かびますが、近年はデザインや間取りにこだわった平屋が増えています。上階がない分、天井の高さを自由に変えられるので、中二階やロフトなどがある間取りも叶えられます。
フラットで階段を使用する必要がないため、バリアフリー住宅としても人気です。一昔前までは高齢者を中心に人気を集めていましたが、今では子育て世帯も平屋を選択することが増えています。
平屋には、以下のような魅力ポイントがあります。
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
平屋の大きなメリットは、階段や段差の少ないバリアフリーな住まいになることです。ワンフロアで生活が完結するため、階段からの転落や段差につまずいて転倒するリスクもなく、安心して過ごせます。車椅子での移動がしやすいのもメリットの一つです。そのため、活発に動き回る子どもや足腰の弱い高齢者も、安全に室内を移動できます。
将来的にバリアフリー化したくなっても、廊下やトイレ内に手すりを設けるなどの最低限のリフォームで済みます。今は元気でも、歳を重ねるうちに階段の上り下りがきつくなったり段差につまずきやすくなったりすることも少なくありません。
ワンフロアにすべての空間が配置されているため、家事動線や生活動線がコンパクトになりやすいのもメリットです。二階建ての多くは二階のベランダやバルコニーに洗濯物を干すため、毎回重たい洗濯物を持って上り下りする必要があります。一方で平屋なら、リビングの掃き出し窓から庭に出て干せたり、ランドリールームで室内干しができたりするため、持ち運びがしやすいです。
さらに、玄関からリビング、水まわり、ファミリークローゼットを回遊できる間取りにすると、無駄のないスムーズな移動ができます。平屋の玄関ドアは、中心あたりに設けるのがポイントです。そうすることで、どの部屋にもアクセスしやすくなります。
平屋は二階建てと比べて、メンテナンス費用を抑えやすい傾向にあります。一階のみの建物のため、大掛かりな足場設置が必要ないからです。一階部分のみで済んだり、場合によっては足場なしでメンテナンスできたりします。足場の設置費用を抑えられれば、その分メンテナンス費用も抑えられるでしょう。
また、水漏れ時の修繕費用が安く抑えられるのもメリットです。二階に水まわりを配置している住宅は二階から水漏れが発生すると一階まで影響し、天井材や壁紙の修繕費用までかかります。平屋なら水まわりのみの修理費用しか発生しません。
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平屋はワンフロアでの生活になるので、電気代や水道代などの光熱費が抑えやすいのもメリットの一つです。戸建てでよくあるリビングの中に階段がある間取りは、冷暖房の風が二階に逃げてしまうため、いつまでもフル稼働の影響で電気代がかかります。
その点平屋は、リビングに自然と家族が集まるようになるため、冷暖房を使う場所が限定化されます。大きな屋根を活かして太陽光発電を導入して家庭用蓄電池を設置すれば、自家発電・自家消費ができるようになり、電力会社から電気を買わない生活を送ることも可能です。
また、二階にトイレや洗面台を設置する必要もないため、水まわりが1箇所にまとめられるのも平屋のメリットです。
平屋はワンフロアで生活が完結するため、自然と家族間のコミュニケーションが生まれやすくなります。子育て世帯はとくに、親子でのコミュニケーションをとりたいと考えるものです。思春期になると帰宅後すぐに自室にこもるケースも増え、親としては様子を伺えずにモヤモヤとした気落ちになるでしょう。
平屋ならワンフロアでの生活になるので、いつでも家族の気配や話し声などが伝わります。LDKから各部屋にアクセスできる間取りにすれば、リビングを通ってお風呂や玄関に行く際に家族とコミュニケーションがとれるようになるでしょう。
平屋は二階建てと比べて高さがないので、構造的に安定していて地震や台風に強いメリットがあります。平屋のほうが重量も軽くなるため、地震で大きく揺れる心配もありません。地震や台風に強い家は壁や柱がたくさんあるイメージがあるかもしれませんが、二階を支える必要がない平屋は最小限で済みます。そのおかげで、開放感のある間取りをつくりやすいのもメリットの一つです。
日本は地震大国のため、地震に強い家を建てることが重要視されています。その影響もあって、平屋を選ぶ人が増えているのでしょう。
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平屋を建てる場合は、以下の内容も把握しておく必要があります。
それぞれのデメリットを見ていきましょう。
平屋を建てる上で大きなデメリットとなるのが、土地の確保です。上階がない分、ワンフロアにまとめる必要があります。そのため、一般的な住宅よりも広い敷地を確保する必要があります。「庭や駐車場の部分も家にしたら問題ない」と思うかもしれませんが、土地やエリアによって「建ぺい率」が決まっています。
建ぺい率とは、その土地に建てられる建築面積(建物を真上から見たときの面積)を表したものです。建ぺい率が50%であれば、土地の半分までしか建物を建てられません。コンパクトな平屋にしたい場合はそこまで広い土地を確保する必要はありませんが、大きな平屋を建てたい場合は広い敷地を確保しましょう。
二階建てと同じ延床面積であっても、平屋のほうが基礎の部分や屋根の面積が大きいことから坪単価が高くなりやすい傾向にあります。基礎工事や屋根工事にかかる材料費や施工費は、建築の大部分を占めています。また日本は二階建てが主流で平屋用部材の流通量が少なく、仕入れコストが高くなりやすいため、その分坪単価にも反映されているのです。
ただし、必ずしもトータルコストが二階建て建築よりも高くなるとは言い切れません。建築内容によって変動するため、少しでも費用を抑えたい場合は無駄のないプランニングをすることが重要です。そもそも平屋には階段や二階の廊下、トイレなどが不要のため、その分の建築コストを削減できます。必要以上に部屋数を大きくせずに、内装材や設備のグレードを見直すことで、建築費用を大幅に抑えられることも少なくありません。
坪単価で見ると平屋のほうが費用がかかると感じられますが、建築内容でトータルコストは変動するので、坪単価は一つの目安として考えましょう。
関連記事:【2024年最新版】札幌で家を建てる場合の坪単価を地域別に徹底解説
同じ坪数の二階建てと比べて、平屋は固定資産税が高くなる傾向にあります。税金が高くなってしまうのは、広い敷地の所有や多くの基礎材や屋根材を使用するからです。資産価値が高いと見なされ、固定資産税が高くなる傾向にあります。
少しでも固定資産税を安くするためには、木造で建てることです。建物の形も資格など角が少ないシンプルなデザインを選ぶことで建築費用を抑えられ、建物の価値を評価する調査員に低コストであると判断されやすくなります。
関連記事:建売の固定資産税額とは?計算方法や目安額を徹底解説
平屋の周辺状況や建物の形状、窓の位置によっては、日当たりや風通しが悪くなる場合があります。日差しが入る南側に二階建て以上の建物や大きな樹木があれば、十分な彩光を得られません。建物同士が密集している地域は風の通り道も塞がれてしまうため、湿気が溜まりやすい住まいになるかもしれません。とくに平屋の中心に位置する部屋は日当たりや風通しが悪くなりがちです。部屋数が多くなると、必然的に外に接しない部屋がでてきます。
天窓を設けるアイデアもありますが、全ての部屋に設けるのは現実的ではありません。平屋の日当たりや風通しを確保するためには、建物の形をL字型やコの字型にするのがおすすめです。すべての部屋が外に接するようになり、空いているスペースには中庭を設けることができます。
平屋の立地や窓の位置によっては、通行人や近隣に住んでいる人の視線が気になる場合があります。水まわりや寝室などプライバシーを確保したい空間も一階にまとめ、窓やドアなども低い位置にあるため、覗きやすいようになっているからです。とくに建物周辺に目隠しとなる柵や植栽などがないオープンな外構は、誰でも出入りしやすくなります。そうなると、空き巣に狙われる可能性も少なくありません。
平屋でプライバシーを確保したり防犯性を高めたりするには、設計の段階で間取りや設備にこだわることが重要です。脱衣所の窓は目線より高い位置に設け、掃き出し窓周辺の外構には柵を設ければ、プライバシーを確保しやすくなります。玄関ドアや勝手口などに防犯カメラやセンサーライトを設置すると、防犯性が高いと目に見えてわかり近寄りにくくなります。
一階建ての平屋は、水害時に住居スペースが浸水する恐れがあります。浸水の度合いによっては、すべての部屋が水浸しになるでしょう。二階建て以上であれば人も荷物も上階に避難させられますが、平屋の場合は急いで避難場所に移動せざるを終えません。水害は避けられない現象のため、平屋を建てる前から対策する必要があります。
平屋を建てるときは、水害時に浸水するリスクが低い土地を選ぶようにしましょう。海や河川の近くは水害被害に遭いやすいので、避けるほうが無難です。他にも自治体で公表しているハザードマップが参考になります。気になるエリアを探してみて、浸水想定区域かどうか確認しましょう。事前に土地の安全性を把握できていれば、安心して長く住めます。
もし、ハザードマップで水害時に浸水が予想されるエリアに平屋を建てる場合は対策が必要です。盛り土をして敷地の高さを上げたり建物の基礎を高くつくったりなど、設計の段階で工夫を凝らしましょう。
平屋は魅力的な住まいですが、人によって向き・不向きがあります。平屋のメリットのみで決断するのではなく、土地の広さや家族スタイル、将来のことなど、さまざまな視点から総合的に判断することが重要です。そうすることで、家族にとって快適な住まいを実現できます。
ここでは、平屋が向いている人・向いていない人についてまとめています。
平屋は小さな子どもや高齢者の身の安全を守りやすい住まいです。そのため、子育て家族や同居家族にはおすすめといえます。
平屋は1つのフロアにすべての部屋が配置されているため、プライバシーに欠ける部分があります。広い土地を選べば間取りの柔軟性も上がりますが、そうなると土地代や建築費用が高くなるでしょう。家族間のプライバシーや防犯性を重要視する場合は、平屋よりも二階建て以上が向いているかもしれません。
平屋を建てるときは、いくつか考えて行動する必要があります。ここで、押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
平屋を建てるにあたって、最も重要なのが土地選びです。先述したように、平屋は水害時に浸水する恐れがあります。ハザードマップや地盤を確認して、水害時に影響がでるかどうか調べることが大切です。また、周辺環境もチェックします。人通りが多い土地ならプライバシーを確保するための対策を考えましょう。
平屋はワンフロアで生活を完結させるため、各部屋にアクセスしやすい間取りづくりが欠かせません。もし玄関を平屋の端に設ければ、反対側の部屋まで行くのが大変です。また、将来に家族構成が変わることも視野に入れて間取りを考えましょう。
関連記事:建売住宅の人気の間取りとは?意識するポイントもご紹介
マイホームを建てることは大きな買い物です。何千万単位で建てるため、自己資金であっても住宅ローンを組むにしてもなるべく費用を抑えたいと考える人は少なくありません。
そこでポイントとなるのが施工会社の「標準仕様」や「オプション」の内容です。施工会社によって内容や価格が異なるため精査して、希望条件とあう施工会社を見つけましょう。
今回は、平屋のメリット・デメリットと考慮すべきポイントについて解説しました。平屋は平面上での移動のみで完結するため、身体的な負担を減らせるのが住む人にとって大きなメリットです。自然と顔をあわせるタイミングが増えることで家族間のコミュニケーションもとりやすくなり、毎日家族の様子を見られます。
「SOU HOUSE」では、札幌市を中心に建売住宅を提供しています。当社は札幌市で確かな技術と信頼を誇る建売住宅の専門会社です。デザインにこだわりつつ耐震性や耐久性にも力を入れ、安心できる家づくりをサポートします。
札幌市の新築建売をお探しの方はSOUHOUSEまでぜひご相談ください。
この記事の監修者
中島 由香
Nakajima Yuka
株式会社ジョンソンホームズ 新築建売SOUHOUSE営業統括。
2021年に中途入社後、前職のアパレル業界で培った高い接客スキルと
お客様への細やかなフォローに定評があり、3年目で営業統括へ抜擢。現在は販売管理と後進の育成に注力。