おしゃれな建売住宅の特徴!選び方のポイントを徹底解説
- 公開日
- 2025.08.22
- 更新日
- 2025.09.10
理想のマイホームづくりを検討されている方なら、「省エネ住宅」や「スマートハウス」といった言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。厳しい冬の寒さに対応しながら、光熱費はできるだけ抑えたいというのは、多くの方が抱く切実な願いです。
そんな現代の賢い家づくりにおいて、中心的な役割を担うシステムが「HEMS(ヘムス)」です。HEMSを導入することで、家庭内のエネルギー使用量を「見える化」し、家電や住宅設備を自動で最適にコントロールすることが可能になります。
しかし、「HEMSという言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にどんな仕組みで、どんなメリットがあるのかよく分からない」と感じている方も多いかもしれません。
この記事では、HEMSの基本的な概念から、その仕組みや機能、導入することによる具体的なメリット・デメリット、そして気になる導入コストや補助金に至るまで、家づくりを始める前に知っておきたい情報を網羅的に、そして分かりやすく解説していきます。
HEMSとは?
HEMSとは、「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略称です。日本語では「家庭用エネルギー管理システム」と訳され、その名の通り、家庭内で使われる電気やガス、水道といったエネルギーの使用量を管理し、最適化するためのシステムを指します。
これまで、家庭のエネルギー使用量は、月に一度届く検針票でしか確認できませんでした。しかしHEMSを導入すると、専用のモニターやスマートフォン、タブレットなどを通じて、「いつ」「どこで」「どの機器が」「どれくらいのエネルギーを消費しているか」をリアルタイムで、あるいは時間や部屋ごとといった詳細な単位で把握することが可能になります。
さらに、ただエネルギーを「見える化」するだけでなく、接続された家電や住宅設備を自動で制御し、無駄なエネルギー消費を抑制する機能も備えています。HEMSは、快適な暮らしと省エネを両立させる、スマートハウスの中核を担う「家の頭脳」のような存在なのです。
HEMSを導入する主な目的
HEMSを導入する主な目的は、大きく分けて「省エネルギー(節電・節約)」と「快適性・利便性の向上」の2つです。最大の目的は、エネルギー使用量を可視化し、無駄を発見することで、家庭内の省エネ意識を高め、電気代やガス代といった光熱費を削減することにあります。どの家電が多くの電力を消費しているかが一目瞭然になるため、家族全員で節電に取り組むきっかけが生まれます。
また、家電を自動制御する機能を使えば、エネルギーを効率的に利用し、無理なく省エネを実現できます。例えば、電力使用量がピークになる時間帯を避けて自動で家電を稼働させたり、太陽光発電システムと連携して、発電した電気を最も効率の良い形で自家消費したりすることも可能です。
さらに、スマートフォンから外出先でお風呂のお湯はりをしたり、エアコンの電源を入れたりするなど、HEMSは日々の暮らしをより快適で便利なものへと進化させてくれます。
HEMSの仕組み
HEMSは、いくつかの機器が連携して機能するシステムです。その中心となるのが、各部屋の分電盤に取り付けられる「電力測定ユニット」です。このユニットが、家全体の電力使用量や、各回路(部屋や特定の家電)ごとの電力使用量を計測します。
計測されたデータは、無線LAN(Wi-Fi)などを通じて、「HEMSコントローラー(HEMSの中央制御装置)」に集約されます。そして、HEMSコントローラーがそのデータを分析し、専用のモニターや利用者のスマートフォンアプリに、グラフなどの分かりやすい形で表示します。
さらに、HEMSコントローラーは、ECHONET Lite(エコーネットライト)という、異なるメーカーの家電や住宅設備間でも通信を可能にするための共通規格(通信プロトコル)を通じて、HEMSに対応したエアコン、給湯器(エコキュート)、照明などの機器と接続されます。
これにより、HEMSコントローラーからの指示で、各機器の電源をON/OFFしたり、運転モードを最適化したりといった遠隔操作や自動制御が可能になるのです。
HEMSの機能
HEMSが持つ多彩な機能は、私たちの暮らしをよりスマートで経済的なものに変えてくれます。
ここでは、その代表的な3つの機能について詳しく見ていきましょう。
エネルギーを“見える化”できる
HEMSの最も基本的な機能が、家庭内のエネルギー使用量を「見える化」することです。専用モニターやスマホアプリの画面には、家全体の現在の電力使用量はもちろん、過去の使用量履歴がグラフで表示されます。さらに、「リビング」「キッチン」「寝室」といった部屋ごとや、「エアコン」「冷蔵庫」「給湯器」といった機器ごとの詳細な電力消費量も確認できます。
これにより、「誰もいない部屋の照明がつけっぱなしになっている」といった無駄や、「この古いエアコンは電力を多く消費しているな」といったエネルギー効率の悪い家電を発見することができます。漠然とした節約ではなく、具体的なデータに基づいて、的を絞った効果的な省エネアクションを起こすことが可能になります。
エネルギー管理の一元化が可能となる
HEMSは、家中のエネルギー関連機器を一つのシステムでまとめて管理(一元管理)することを可能にします。これまで、エアコンのリモコン、給湯器のパネル、照明のスイッチと、それぞれバラバラに操作していたものが、HEMSのモニターやスマートフォンアプリから一括で操作・設定できるようになります。
例えば、就寝前に寝室から家中の照明を消したり、外出先から帰宅時間に合わせてお風呂のお湯はりをスタートさせたりといった操作が手軽に行えます。また、あらかじめ設定したスケジュールに基づいて、特定の時間に自動で機器をON/OFFすることも可能です。これにより、利便性が向上するだけでなく、消し忘れなどの無駄なエネルギー消費を防ぐことにも繋がります。
スマート家電や太陽光発電と連携できる
HEMSの真価は、様々な機器と連携することでさらに発揮されます。前述のECHONET Lite規格に対応した「スマート家電」と連携すれば、より高度な自動制御が可能です。例えば、電力需要が高まり、電気料金が高くなる時間帯をHEMSが検知し、自動的にエアコンの設定温度を少しだけ調整して消費電力を抑える、といった賢い運転が可能になります。
また、太陽光発電システムや蓄電池と連携させることで、エネルギーの自給自足を目指すこともできます。天候を予測して、太陽光で発電した電気を「売電」するのか、「蓄電池に貯める」のか、あるいは「エコキュートでお湯を沸かす」のかを、HEMSが自動で最適に判断し、コントロールしてくれます。これにより、再生可能エネルギーを最大限に活用し、光熱費を大幅に削減することが期待できます。
HEMSを導入するメリット
HEMSを導入することは、家計や環境、そして万が一の備えといった様々な側面で、多くのメリットをもたらします。
メリット①節電効果が期待できる
最大のメリットは、やはり節電・省エネによる光熱費の削減効果です。エネルギーの「見える化」によって家族の省エネ意識が高まること、そして、家電の自動制御によって無駄なエネルギー消費を抑制できることから、一般的に家庭のエネルギー消費量を約10%程度削減できると言われています。電気料金の値上がりが続く現代において、このメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
メリット②デマンドレスポンスが可能になる
デマンドレスポンス(DR)とは、電力の需要が供給を上回りそうになった際などに、電力会社からの要請に応じて、需要家(家庭や企業)が電力の使用量を抑制(節電)することで、報酬を得られる仕組みです。HEMSを導入し、DRサービスに対応した電力会社と契約することで、この仕組みに参加できます。電力会社からの節電要請に応じて、HEMSが自動で家電の運転を制御し、節電に協力することで、電気代の割引などのインセンティブを受け取ることが可能です。
メリット③再生可能エネルギーを活用できる
太陽光発電システムや蓄電池を導入する場合、HEMSはそれらの能力を最大限に引き出すために不可欠な存在です。HEMSがなければ、発電した電気をただ使うか売るかしかできません。
しかしHEMSがあれば、天気予報や家庭の電力使用パターンを学習・予測し、「昼間に発電した電気を蓄電池に貯めておき、夜間に使う」「翌日が雨予報なので、今日の昼間のうちにエコキュートでお湯を沸かしておく」といった、極めて高度で効率的なエネルギーマネジメントが可能になります。
メリット④災害時に備えられる
蓄電池や電気自動車(EV)と連携することで、HEMSは災害時の停電への備えとしても大きな力を発揮します。停電が発生した際に、蓄電池やEVに貯めておいた電気を、家の中のどの機器に、どれくらいの時間供給するかをHEMSが管理してくれます。
例えば、「冷蔵庫やスマートフォンの充電など、最低限必要な電力だけを供給して、長時間の停電に備える」といった制御が可能です。災害時のライフラインを確保する上で、非常に心強いシステムとなります。
HEMSを導入するデメリット
多くのメリットがあるHEMSですが、導入を検討する際には、いくつかのデメリットや注意点も理解しておく必要があります。
デメリット①設定やメンテナンスの手間とコストが発生する
HEMSを導入するには、当然ながら初期費用がかかります。機器本体の価格や設置工事費を合わせると、10万円から20万円程度が一般的です。また、導入後も、ソフトウェアのアップデートや、接続する家電が増えた際の再設定など、ある程度のメンテナンスの手間が発生します。
機器が故障した場合には、修理や交換のコストも必要になります。
デメリット②セキュリティー対策が必要な場合がある
HEMSは、インターネット回線を通じて外部のサーバーと通信したり、スマートフォンからの遠隔操作を可能にしたりするため、サイバーセキュリティーのリスクが全くないとは言えません。悪意のある第三者による不正アクセス(ハッキング)を防ぐため、Wi-Fiルーターのパスワードを複雑なものに設定したり、HEMS機器のソフトウェアを常に最新の状態に保ったりといった、基本的なセキュリティー対策を講じることが重要です。
デメリット③費用対効果を高めるための工夫が必要
HEMSは、ただ設置するだけで自動的に電気代が大幅に安くなる「魔法の箱」ではありません。その効果を最大限に引き出すためには、HEMSによって「見える化」されたエネルギーの消費状況を家族で共有し、日々の生活の中で省エネを意識した行動を実践することが不可欠です。導入にかかった初期費用を、月々の電気代削減分で回収するには、ある程度の期間と、家族の協力が必要になることを理解しておく必要があります。
HEMSを導入する流れ
HEMSを導入し、実際に省エネ活動に活かしていくまでの基本的な流れは、以下の4つのステップで進みます。
HEMS対応家電・住宅設備を設置する
まず、HEMSで制御したい家電や住宅設備(エアコン、エコキュート、床暖房など)が、前述の通信規格「ECHONET Lite」に対応している必要があります。
新築やリフォームの際には、ハウスメーカーや工務店と相談し、HEMSとの連携を前提とした機器選定を行うことが重要です。
HEMSコントローラーを設置・設定する
次に、システムの頭脳となるHEMSコントローラーと、電力を計測するユニットを分電盤などに取り付けます。この設置作業は専門的な知識が必要なため、電気工事業者に依頼するのが一般的です。設置後、インターネット回線に接続し、連携させる家電や設備機器をシステムに登録する初期設定を行います。
消費電力(ガス・水道)を確認する
設定が完了すると、モニターやスマートフォンで、自宅のエネルギー使用状況がリアルタイムで確認できるようになります。
まずは日々のデータを眺めて、どの時間帯に、どの部屋で、どの機器がエネルギーを多く使っているのか、自宅のエネルギー消費の傾向を把握することから始めましょう。
具体的な節約行動を実施する
エネルギー消費の傾向を把握したら、それに基づいて具体的な節約目標を立て、家族で共有し、行動に移します。「リビングのエアコンの設定温度を1℃見直す」「電力消費の多い乾燥機の使用を、電気料金の安い夜間にする」など、小さなことからでも構いません。
行動した結果、実際にどれだけ消費量が減ったかをHEMSのデータで確認し、その効果を実感することが、継続的な取り組みへのモチベーションに繋がります。
HEMSの選び方
HEMS製品は、様々なメーカーから提供されており、それぞれ機能や特徴が異なります。選ぶ際には、自宅に設置する太陽光発電システムや主要な家電のメーカーと、HEMSのメーカーを揃えるのが一般的です。連携のスムーズさや、サポートの一元化という点でメリットが大きいためです。
また、操作画面の見やすさや、アプリの使いやすさも重要な選定ポイントです。毎日目にするものなので、直感的に操作でき、ストレスなく情報を把握できるデザインであるかを確認しましょう。
代表的なHEMSメーカー
国内の主要なHEMSメーカーとしては、パナソニック、シャープ、東芝、三菱電機などが挙げられます。これらのメーカーは、太陽光発電システムやエコキュート、エアコンといった関連製品も自社で開発・販売しているため、システム全体としての一貫性と高い連携性を実現しています。住宅の建築を依頼するハウスメーカーや工務店が、どのメーカーのHEMSを標準的に扱っているかを確認し、その特徴を比較検討するのが良いでしょう。
HEMSを導入するときのコストはどのくらい?
HEMSの導入にかかる費用は、機器の種類や工事の内容によって変動しますが、一般的にはHEMSコントローラー本体と電力測定ユニットなどの関連機器を合わせて10万円~20万円程度が目安となります。
これに加えて、設置工事費が別途3万円~10万円程度かかります。
太陽光発電システムやエコキュートなどを同時に導入する場合は、それらの設備費用も加算されます。新築時にハウスメーカーの標準仕様として組み込まれている場合は、比較的割安に導入できるケースもあります。
HEMS導入の補助金はある?
かつては国によるHEMS単体での導入補助金制度がありましたが、2025年現在、HEMS単体を対象とした国の補助金は終了しています。
しかし、HEMSの導入は、省エネ性能の高い住宅(ZEH:ゼッチなど)を建てる際の要件に含まれていることが多く、「子育てエコホーム支援事業」などの住宅取得支援策の中で、間接的に補助の対象となる場合があります。
また、地方自治体が独自に補助金制度を設けているケースもあります。例えば、札幌市では「再エネ・省エネ機器導入補助金制度」を実施しており、年度によって内容は異なりますが、太陽光発電システムや蓄電池などと合わせてHEMS関連機器が補助対象となる可能性があります。家づくりを計画する際には、国や札幌市の最新の補助金情報を、ハウスメーカーや工務店を通じて必ず確認することをおすすめします。
HEMSは節約と快適な暮らしを両立してくれるシステム
HEMSは、家庭のエネルギー使用量を「見える化」し、家電や設備を賢く制御することで、無理のない節約と快適な暮らしを両立させてくれる画期的なシステムです。特に、太陽光発電や蓄電池の導入を考えている場合、その効果を最大限に引き出すためには不可欠な存在と言えるでしょう。
もちろん、導入には初期費用がかかりますが、長期的に見れば光熱費の削減によってその費用を回収できる可能性も十分にあります。何より、日々の暮らしの中で家族の環境意識を高め、地球に優しいライフスタイルを実践できるという価値は、お金には代えがたいものです。
札幌市の新築建売をお探しの方はSOU HOUSEにぜひご相談ください。
私たちSOU HOUSEは、札幌の厳しい気候を知り尽くした地域密着の工務店として、断熱性・気密性といった住宅の基本性能を追求するだけでなく、HEMSをはじめとする最新の省エネ設備を効果的に組み合わせることで、お客様一組一組のライフスタイルに合わせた、真に快適で経済的な住まいづくりをご提案しています。