建売住宅のメリット・デメリットについて解説
2021年5月25日
2021.11.29
「家を購入する前に木造住宅のメリットを知っておきたい」と考えていませんか。木造・鉄筋コンクリート造・軽量鉄骨造の中で、最も現実的な選択肢なので気になりますよね。木造住宅の主なメリットは、建築コストを抑えやすいことと日本の気候に合った住環境を実現しやすいことです。一方で、防音性や耐震性など、気になるポイントもあります。
この記事では、木造住宅のメリット・デメリットを詳しく紹介するとともに、木造住宅の防音性や耐震性について解説しています。木造住宅を中心に家の購入を検討している方は参考にしてみてください。
Contents
木造住宅に明確な定義はありません。一般的には、柱や梁など、建物の主な構造部分に木材を用いている住宅を木造住宅といいます。古くから寺社仏閣の建立などに用いられてきたため、日本では木造建築技術が発展しています。現在もこの流れを引き継ぎ、日本の戸建住宅の約9割が木造住宅と考えられています。木造住宅の主な工法は以下の通りです。
【木造住宅の主な工法】
工法 | 詳細 |
木造軸組工法 | 柱と梁で建物を支える伝統的な工法。在来工法とも呼ばれる。 |
2×4工法 | 2×4インチの木材で枠組みを作り合板を接合して面で建物を支える工法。 |
木造住宅についてさらに詳しく見ていきましょう。
木造住宅に使用される主な木材として以下のものが挙げられます。
【木造住宅に使用される木材】
各木材の特徴は次の通りです。
国内で最も生産量が多い木材です。人気の秘密は、成長が速いうえ真っすぐ育つため加工しやすいからといえるでしょう。また、軽量で耐久性も高いなど実用性も兼ね備えています。調湿効果を期待できる点も見逃せません。非常に優れた木材と考えられていますが、柔らかいため傷つきやすい、へこみやすい面もあります。柔らかさは加工のしやすさにもつながるため、メリットにもデメリットにもなるといえるでしょう。
国内でスギの次に生産量が多い木材です。最も大きな特徴は、耐久性が非常に高いことです。時間の経過とともに強度を増すため、頑丈な木造住宅を建てるのに適しています。歴史的建築物にも数多く用いられています。リラックスを促すとともに抗菌作用も期待できるフィトンチッドを放出する点も魅力です。ヒノキを用いた木造住宅は、落ち着いて過ごせるかもしれません。ただし、高級木材に分類されます。建築コストは割高になる傾向があります。
マツは、パイン材と呼ばれている木材です。木造住宅の建築に用いられているのは、レッドパイン(赤松)と呼ばれる種類です。マツの特徴は、強度が高いことといえるでしょう。傷やすり減りに強いため、主に梁などの横架材に用いられています。一方で、乾燥すると不可逆的にねじれる特徴もあります。したがって、しっかりと乾燥させてから用いなければなりません。
ナラはオークと呼ばれることがある木材です。住宅のほか家具などにも用いられています。特徴は、傷に強く耐久性が高いことです。また、木目が美しい点も見逃せません。これらの特徴を活かし、床材として用いられることが少なくありません。床材として用いた場合、経年変化を楽しめます。ただし、定期的なメンテナンスが欠かせません。
ヒバは、アスナロなどと呼ばれることがある木材です。耐朽性と耐湿性に優れています。真菌類に対し強い殺菌作用を期待できるヒノキチオールを含む点も特徴です。これらを踏まえて、建物の土台に多く用いられています。ちなみに、シロアリにも強いと考えられています。
木造住宅には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
木造住宅の主なメリットは以下の通りです。
木造住宅の建築コストは、鉄筋コンクリート造や軽量鉄骨造に比べて安価といえます。基礎工事と建材の処理に手間がかからないからです。例えば、鉄筋コンクリート造は重量が重いため、基礎工事を念入りに行わなければなりません。また、建材に防錆処理などを行う必要もあります。手間と時間がかかるため、木造よりも高コストになるのです。木造住宅は、建築コストを抑えたい人に向いています。
木材は鉄よりも熱を伝えにくい特徴があります。一般社団法人住宅生産団体連合会の資料によると、鋼の熱伝導率は55、ステンレス鋼の熱伝導率は15、コンクリートの熱伝導率は1.6、天然木材の熱伝導率は0.12です[1]。木造住宅は、鉄筋コンクリート造・軽量鉄骨造に比べ住環境の改善や省エネ化を図りやすいといえるでしょう。
木材は、部屋の空気が乾燥すると蓄えていた水分を吐き出し、部屋の空気が湿ると空気中の水分を吸い込むと考えられています。つまり、調湿効果を期待できると考えられているのです。夏のジメジメ、冬のカラカラを解消するため、木造は日本の気候に合っている構造といえるでしょう。結露やカビの発生を抑えやすい点も魅力です。
木材の香りには、リラックス効果があると考えられています。具体的には、血圧を低下させる、ストレスを軽減するなどの効果を期待できると考えられているのです。また、木材に触れるとストレスが生じにくくなるともいわれています。木造住宅は、快適な生活を送りやすいといえるでしょう。
木造住宅の主なデメリットは次の通りです。
木造住宅は、シロアリ被害を受けるリスクがあります。シロアリ被害を受けると、耐震性が低下することや雨漏りすることなど考えられます。つまり、建物の寿命を縮めてしまう恐れがあるのです。したがって、木造住宅は防虫処理などのシロアリ対策が必要になります。
木造住宅の耐久性は、鉄筋コンクリート造よりも低いと考えられています。参考にそれぞれの耐用年数を示すと、木造は22年、鉄筋コンクリート造は47年です。「耐久性=耐用年数」ではありませんが、鉄筋コンクリート造よりも早く資産価値がなくなると考えられていることがわかります。適切に管理しないと、鉄筋コンクリート造よりも早く寿命を迎える可能性があります。
木造住宅の防音性は、他の構造に比べて低いと考えられています。防音性が高い順に並べると「鉄筋コンクリート造・軽量鉄骨造・木造」になります。防音性が低い理由は、構造材が軽いうえ壁の中の空洞が大きいため、音が伝わりやすいからです。(コンクリートなど重い構造材の方が音を遮断します)。木造住宅は、他の構造に比べて遮音性が低いといえるでしょう。(※騒音を小さくする吸音性は高いと考えられています。)
ただし、すべての木造住宅の防音性が同じわけではありません。木造住宅の中にも、防音性が高いものはあります。例えば、壁の中にグラスウール断熱材やロックウール断熱材を充填している木造住宅は防音性が高くなります。これらの素材は吸音効果が高いからです。あるいは、サッシや窓ガラスにこだわることでも防音性を高められます。具体的には、2重サッシ、防音ガラスを用いると、防音性を大きく高められます。音は、窓からも室内・室外へ伝わるからです。
ここまで見てきた通り、木造住宅の防音性は基本的に高くありません。大きな道路に面している、室内で楽器を弾きたいなどの事情がある場合は、何かしらの対策が必要といえるでしょう。吸音性の高い断熱材を壁の中に充填する、防音性の高いサッシ・窓ガラスを採用するなどを検討するとよいかもしれません。まずは、住宅メーカーで相談することをおすすめします。
木造住宅の耐震性は、他の構造と大きく変わりません。現在の耐震基準では、家の構造・工法に関わらず、震度6強~7の大規模地震でも倒壊・崩壊しない耐震性が求められるからです。したがって、木造住宅だから、鉄筋コンクリート造や軽量鉄骨造よりも耐震性が大きく低いということはありません。同様に、工法(木造軸組工法・2×4工法など)による大きな違いもないと考えられます。
しかし、構造による耐震性の違いはあります。木造住宅は、鉄筋コンクリート造や軽量鉄骨造に比べて軽量です。地震エネルギーは建物の重さと比例して働くため、他の構造よりも木造住宅の揺れは小さくなります。したがって、家具の転倒などの被害を小さくできる可能性があります。木造住宅には、他の構造にはない優れた面があるのです。
現在の耐震基準に基づき建てられた木造住宅は、鉄筋コンクリート造や軽量鉄骨造に劣らない耐震性を備えていると考えられます。現在の耐震基準が設けられたのは2000年です。2000年以前に建てられた木造住宅は、耐震性が低い恐れがあります。必要に応じて、耐震補強・建て替えなどを行うようにしましょう。
今回は、木造住宅について詳しく解説しました。木造住宅には、建築コストを抑えられる、日本の気候に合っている、リラックス効果を期待できるなどのメリットがあります。心配されがちな耐震性も、他の構造に劣るわけではありません。非常に魅力的な構造といえるでしょう。札幌市内・近郊で新築建売住宅をお探しの場合は、ソウハウスまでご相談ください。
札幌市内で新築建売住宅のご購入でお困りの方は、SOU HOUSEへぜひお気軽にご相談ください!
[1]一般社団法人住宅生産団体連合会:建築物省エネ法省エネ基準に基づく省エネ計算
演習事例テキスト
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/pattern2_enshuzirei.pdf