おしゃれな建売住宅の特徴!選び方のポイントを徹底解説
- 公開日
- 2024.04.16
- 更新日
- 2025.07.29
「BELS(ベルス)」をご存知ですか。
2024年4月以降、事業者は新築建築物の販売・賃貸の広告などにおいて、建築物の省エネ性能(燃費)を評価・認定し、その内容を表示することが義務付けられるようになりました。
さらには新制度に基づく、省エネ性能評価書と省エネ性能ラベルも必要になり、新建築物の販売時には所定のラベルを広告などに表示しなければなりません。
評価方法も変わっているため、今一度見直しが必要です。
本記事では、2024年4月以降のBELSの評価方法と表示項目について解説します。BELSを取得するメリットや申請から評価書が交付されるまでの流れなどについてもお伝えするので、ぜひご覧ください。
BELS(ベルス)とは
BELS(ベルス)とは「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)」の略称で、建築物の省エネ性能を評価・認定する制度です。
この制度は一般社団法人 住宅性能評価・表示協会(第三者評価)によって運用されています。
第三者による評価・認定であることから、メーカーごとの自己評価と比較して客観性があり、信頼性が高いという特徴を持っています。
また、この制度は新築だけでなく既存の建築物についても表示が可能です。
公式サイト:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
BELSとZEH(ゼッチ)の違い
BELSとZEH(ゼッチ:エネルギー収支をゼロ以下にする)は、どちらも建築物の省エネに関連します。BELSは省エネ性能を自己評価するのではなく、利害関係のない第三者評価機関が客観的に評価する「評価制度」です。
一方、ZEHは省エネ基準をクリアした住宅のことを指し、エネルギー収支がゼロ以下の住宅を「ZEH住宅」と表現します。
ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(net Zero Energy House)」の略称です。消費されるエネルギーよりも創り出されるエネルギーのほうが多い(または同じ)住宅のことです。
BELSの評価方法と表示項目
次に、2024年4月に制度が改正されたことで変更があったBELSの具体的な評価方法と、「省エネ性能の表示ラベル」に表示されている項目について解説します。
参考サイト:国土交通省|建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表⽰制度
評価方法
BELSは、省エネルギー性能を2つの指標で評価します。
- 【建築物の外皮性能における指標】
外皮性能とは、屋根や壁・開口部などの断熱性や遮熱性のことをいい、外の気温に関わらず、どこまで気密性を保てるかを評価している指標です。
- 【建築物で消費される一次エネルギー消費量における指標】
一次エネルギーとは、加工されない状態で提供されるエネルギー(石油、石炭、原子力、天然ガス、水力など)のことを指し、「どれだけ消費するか」を評価する指標です。実際はBEI(一次エネルギー消費量基準・Building Energy Index)という数値が指標となります。
このBEI数値は、設計された建物がどれだけエネルギーを効率良く使っているかを評価するためのもので、BEI値が低いと、その建物のエネルギー効率がいいという証明になります。
具体的には、建物で消費される電気やガスなどの元となるエネルギー量「設計一次エネルギー消費量」を、事前に定められた「基準一次エネルギー消費量」という値で割った結果がBEI値となります。
また、改正後の省エネ性能表示制度では、省エネ性能評価書と省エネ性能ラベルが必要になります。作成方法は2パターンです。
- 自己評価:国が指定するWEBプログラムまたは仕様基準に沿って、販売・賃貸事業者が自ら建築物の省エネ性能を評価する。ただし、ZEHマークやZEBマークは使用不可。
- 第三者評価:第三者の評価機関に依頼して建築物の省エネ性能を評価してもらう。表示内容の客観性や信頼性が高まるだけではなく、ZEHマークやZEBマークを評価書などに記載できる。
星の算出方法
BELSは星の数で省エネ性能を表しており、BEIの数値を使用して5段階で評価・認定されます。星の数が多いほど省エネ性能が高い・優れている建物という評価になり、最も高い評価は星5です。
なお、省エネ性能表示制度が開始されたことによって、2024年4月1日からBELSの星の評価が変更されました。
【これまでのBELSの評価方法】
| 評価 | 住宅・非住宅(BEI) | 非住宅:事務所、学校(BEI) | 非住宅:ホテル、病院(BEI) |
| ★★★★★ | 0.80 | 0.60 | 0.70 |
| ★★★★ | 0.85 | 0.70 | 0.75 |
| ★★★ | 0.90 | 0.80 | 0.80 |
| ★★ | 1.00 | 1.00 | 1.00 |
| ★ | 1.10 | 1.10 | 1.10 |
【2024年4月以降のBELSの評価方法・再エネ設備のない住宅の場合】
| 評価 | 基準一次エネルギー 消費量からの削減率 | BEI |
| ★★★★ | 30%以上 | 0.7≧BEI |
| ★★★ | 20%以上30%未満 | 0.8≧BEI>0.7 |
| ★★ | 10%以上20%未満 | 0.9≧BEI>0.8 |
| ★ | 0%以上10%未満 | 1.0≧BEI>0.9 |
| ★なし | 0%未満 | BEI > 1.0 |
【2024年4月以降のBELSの評価方法・再エネ設備のある住宅・非住宅の場合】
| 評価 | 基準一次エネルギー 消費量からの削減率 | BEI |
| ★★★★★★ | 50%以上 | 0.5≧BEI |
| ★★★★★ | 40%以上50%未満 | 0.6≧BEI>0.5 |
| ★★★★ | 30%以上40%未満 | 0.7≧BEI>0. |
| ★★★ | 20%以上30%未満 | 0.8≧BEI>0.7 |
| ★★ | 10%以上20%未満 | 0.9≧BEI>0.8 |
| ★ | 0%以上10%未満 | 1.0≧BEI>0.9 |
| ★なし | 0%未満 | BEI > 1.0 |
なお、非住宅の場合は再エネ設備にかかわらず評価します。
表示項目
BELSの表示項目は、6つあります。
- BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の名称
- 削減率の値から星の数を5段階で表示
- 基準一次エネルギー消費量に対する削減率
- 基準一次エネルギー消費量・誘導基準一次エネルギー消費量・設計一次エネルギー消費量のレベルを図で表示
- 一次エネルギーの消費量・外皮性能の省エネ基準への適合可否を表示
- ZEH認定が取得されている証明を表示
また、これまでのBELS評価書では ZENやZEBの詳細な分類マークが設けられておらず、一目で判別することはできませんでした。今回の改正にともない「Nearly ZEN」や「ZEN Oriented」「ZEB」などの分類マークが加わり、マークだけでわかるようになっています。
BELSを取得するメリット
BELSの目的は、建築物のエネルギー消費性能を見える化し、性能の優れた建築物が適切に評価されるような環境を整備することです。
ここでは、BELSを取得することによるメリットについて解説していきます。
物件の価値が上がる
BELSを取得している住宅は、省エネ性能を客観的に表すことができます。BELSで評価された住宅は、省エネ性能が高く、資産価値が高い物件と評価され、売却する際にも価値を落とさずに価格設定が可能です。
建物の省エネ性能が一目でわかる
BELSは、建物の省エネ性能を5段階評価の星のマークで表します。
省エネに関して知識があまりない方でも、星の数でこの建物は省エネ性能が高い・低いと一目でわかりやすいメリットがあります。
第三者機関の評価のため信頼できる
BELSは一般社団法人住宅性能評価・表示協会が運用している評価制度です。
ハウスメーカーや工務店などの発表しているデータは、それぞれの自己評価であることが多いです。
一方でBELSは、各会社の基準ではなく、第三者機関による評価のため客観性に優れています。
補助金申請などに活用できる
省エネ住宅であるZEHには、ZEH支援事業(補助金制度)が用意されています。(※ZEH支援事業は、2023年3月24日(金)17:00 追加公募の受付は終了しています。)
この制度を利用するにはBELSなどの第三者機関の認定が必要ですが、BELSの★3つ以上を取得していれば、このZEH支援事業の補助金を申請する際の提出書類として使うことができます。
※申請にBELSが利用できるのは、住宅・集合住宅の場合です。
関連記事:住宅購入で受けられる補助金と受け取りまでの流れについて
BELS申請から評価書が交付されるまでの流れ
BELS評価書取得までの基本的な流れは以下となります。
- BELS申請に必要な書類を一式準備
- BELS評価機関に審査を依頼。
- 専門の評価員による審査
- BELS評価書及び認定マークの受取り
※BELS評価機関は、一般社団法人住宅性能評価・表示協会のホームページで検索可能
その他、他の制度で省エネ性能の評価を受けている場合は、重複する書類の提出や審査を省略することができるので、その場合はBELS評価機関にお問合せください。
【BELS申請に必要な書類】
| 書類名・部数 | 内容 |
| BELSに係る評価申請書・正副 | BELS申請の頭紙となる書面 |
| 設計内容(現況)説明書・2部 | 省エネ性能に関する設計の概要を示したもの |
| 申請添付図書・2部 | 配置図・仕様書・平面図・求積図・設備仕様書等 |
| 一次エネルギー消費量及び外皮計算書・2部 | 消費エネルギー量と外皮性能などの性能を示す計算書 |
| BELSに係る評価物件掲載承諾書 | ホームページ掲載についての承諾書 |
| その他必要な書類・2部 | 必要に応じて提出する書類 |
BELS取得時かかる費用
BELSを取得するには、BELS評価機関に支払う「審査費用」と、省エネ計算代行会社に支払う「代行費用」の2種類の費用がかかります。
評価費用と申請代行費用を合わせると、数十万円から百数十万円程度の費用がかかることが一般的です。
建物の規模にもよりますが、一戸建て住宅であれば数万円程度、集合住宅の場合は数十万円の費用がかかります。
また、非住宅の場合は計算手法によって金額が大きく変わります。計算手法には「標準入力法」と「モデル建築法」があります。
BELSの申請は事業主が行いますが、省エネ計算や書類整備など非常に煩雑な業務となることから、一般的には申請代行会社を利用して申請することが多いようです。
こちらの費用もまた、用途や建物の規模によって金額が異なりますので、数十万円程度と想定しておきましょう。
BELSの取得にはコストがかかりますが、賃貸物件であれば不動産の賃貸契約時にお客様へ省エネ性能が高いことをアピールできたり、投資家や金融機関へ資産価値が高いことの証明になったりすることを考えると、単なるコストではなく「付加価値資産」として捉えることができるのではないでしょうか。
【関連記事】
BELSの活用
新築建物は設計段階から省エネ計算を実施し、その都度設計変更を加えながら多くの星を獲得するなど、戦略的にBELSを活用し不動産の付加価値を高めることが大事になってきました。
また今回は2024年4月に改正が実施されたことで、BELSの省エネ性能ラベル表示や評価制度に変更点が生まれています。
新制度では、省エネ基準に満たない物件も評価できるようになったのが大きな変更点です。
新BELSの内容をしっかり把握して、住宅購入に役立てていきましょう。
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